四日目の朝

 それは四日目の朝に相当する時刻だった。もっとも月の世界では、十四日間も昼間ばかりぶっつづき、あとの十四日は夜ばかりつづくという変な世界だったので、事実はいつも明るかったのだった。とにかくその朝、天津飛行士の作った黄金階段に見張りに出ていたクヌヤという月の住人が急いで天津のところへ駈けつけてきた。
「なんだか真白な、大きなものが砂地に突立っていますよ」
 真白な大きなもの――というので、天津は蜂谷たちに知らせると、急いで階段をのぼった。上ってみると、なるほど砂中からニュウと出ている銀色の板――。
「おお、これは宇宙艇じゃないか」
 それでは、猿田の操縦していった新宇宙艇が、墜落してきたのであろうか。一行は非常な興味をもって、これを砂中から掘りだしてみた。
「ウンこれは違う。新宇宙艇ではない」
 と蜂谷学士は首を左右にふった。
「オヤオヤ」突然横合から叫んだのは天津飛行士だった。「これは愕いた。奇蹟中の奇蹟! 六角隊長と私とをこの土地に残して、空に飛びだした第一の宇宙艇だ」
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