高木勇次氏

△高木勇次氏――「切断」倉庫街での鉄材切断を描いてゐるが、物質を切断するといふことに対する鋭敏感は認められるがそのために描写法を鋭敏にしなければならないといふ考へ方が既に古いのである、新しい写実家は、そこのところを描法を感性的にせずに、四つに組んでゆくといふ点にある、テーマも良し、感覚も鋭いが、それだけでは駄目なのである。
△新沼杏一氏――『冬の夜』少女達が手芸をしてゐるらしい絵、ケンランたる色彩といふより、ケンランたる現象、我々の視覚をまどはすために仕組まれた絵。
△二見利次郎氏――『作業』の鈍重感は成功してゐる。
△小穴隆一氏――絵の仕上げの丁寧さ位よりとるべきものなし。
△木村荘八氏――『浅草元日』『幽霊せり出し』等の所謂氏の芝居絵である、幽霊せり出しはテーマは賛成だが、氏にして良くロートレックやドガのやうに、この種の社会を庶民的テーマとして引き下げる力があれば面白いが、芝居道の肯定者らしい態度が妙に美しいものより描けてゐない。
△中山一政氏――なんの感覚としての動きなく、これは器である左様、これは水である左様、といつた現実感が産ました絵。
調布 歯科 孔子も時に会わず