元帥閣下

「元帥閣下。その情報は、もちろん、信ずべきでありましょうな」
 と、第七番の首が叫んだ。リウサン参謀の声だった。
「もちろん、信じて、さしつかえない。ゴールド大使は、優秀なる外交官であり、且つスパイだ。彼女は、さっき、彼女の義眼に仕掛けてある精巧な小型無電機を用いて、こっちへ話しかけてきたが、間もなく、もう一度、諸君の前に、なにか報告をしてくる筈じゃ」
 ラヂウム元帥は、そこで言葉を切って、机の引出しをあけた。そして、箱の中から、チューインガムを引張り出すと、それを口の中に放りこんで、にちゃにちゃやりだした。
「長官、ゴールド大使からの電話です」
 副官の声だ。いよいよ、再び女史の小型無電機が、報告を伝えてくるらしい。
「よし、こっちへ線をつなげ」
 と、ラヂウム元帥は、命令した。
「はい、只今、つなぎます」
 副官の声が引込むと、入れ替りに、ゴールド大使の、鼻にかかったなまめかしい声が聞えてきた。
http://flower-fdeco.net/ プリザーブドフラワーギフト専門店 「ハッピーフラワーギフト」
書き込みはまだありません。