いえ本当でございますよ

「いえ本当でございますよ。あれは屹度、あの空井戸からでございますわ。あなたがお悪いんですわ。由緒ある井戸をあんな風にお使いになったりして……」
 空井戸というのは、奥庭にある。古い由緒も、非常識な夫の手にかかっては、解剖のあとの屑骨などを抛げこんで置く地中の屑箱にしか過ぎなかった。底はウンと深かったので、ちょっとやそっと屑を抛げこんでも、一向に底が浮き上ってこなかった。
「だッ黙れ。……明日になったら、見てやる」
「明日では困ります。只今、ちょっとお探りなすって下さいませんか。さもないと、あたくしはこれから警察に参り、あの井戸まで出張して頂くようにお願いいたしますわ」
「待ちなさい」と夫の声が慄えた。「見てやらないとは云わない。……さあ、案内しろ」
 夫は腹立たしげに、メスを解剖台の上へ抛りだした。屍体の上には、さも大事そうに、防水布をスポリと被せて、始めて台の傍を離れた。

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