蔓から壜がぶら下る瓢箪

蔓から壜がぶら下る瓢箪。幹の中に空気の並んだ部屋のある竹。東洋は面白いな。巴里の郊外にも電柱はあったが道筋の家の壁や屋根を借りて取り付けたもので長さも小さく小鬢に笄を挿したほどの恰好だ。ヴェルサイユへ行く道の退屈さに自動車の窓から眺めてフランス人の倹約と結びつけて考えて見たものだった。
 湯屋の煙突の煙が吹き下りて来る、不安なにおい。屑ものを焼くせいだろうか。
 湯屋の内部を想像する。裸体を見られたら腰のまわりはうっちゃって置いても乳房を押える西洋の女。その乳房をみずみずしい果物の熟果のように胸にぶら下げてぷりぷり震わせながら二三人ずつも向き合って身体を洗っている日本のお湯屋の内部の女。女の乳房というものは賑やかなものだ。あれは女の胸にある肉の勲章だ。女の胸に乳房が無かったらと考えて、もしそうなったら男は女を抱かなくなるだろう。女に逢いに行くことをベルを押しに行くといった若い仏蘭西人があった。なるほど乳房はベルに似ている。

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