やっぱり家運繁昌

「やっぱり家運繁昌、病気平癒、失せもの尋ねもの、まあ早くいえば世間一統の行者の祈祷に、うらないの判断を搗きまぜたようなもので、それがひどく効目があるというので、ばかに信仰する奴らがあるようです。なんでも毎日五六十人ぐらいは詰めかけるといいますから、随分実入りがあることでしょう。祈祷料は思召しなんですけれど、ひとりで二歩三歩も納める奴があるそうですから、たいしたものです」
「それはまあそれとして、その行者は工面のよさそうな信心ものを奥へ連れ込んで、なにか秘密の祈祷をして多分の金を寄進させるというじゃあねえか。それはどうだ」
「それもあるらしいんです」と、多吉はうなずいた。「だが、それはいっさいの秘密の行法で、うっかり口外すると一年経たねえうちに命がなくなると嚇かされているので、誰もはっきりと云うものがねえそうです。それに、その秘密を行なうのはいつでも夜なかときまっていて、どこの誰が秘密の祈りをして貰ったということが他人に知れると、その験がないというので、秘密の祈りを頼むものは世間がみんな寝静まった頃に、顔を隠したり、姿を変えたりして、そっと裏口から出入りをしているので、誰だかよく判らないということです。行者の奴め、なかなかうまく考えたもんですよ」豊中 インプラント ????????
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